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「同じってうれしい。違うって楽しい。」 |
2021年1月31日 朝日新聞「窓」欄より。 https://www.asahi.com/articles/ASP1Y74SMP1TUTIL01S.html
絵本『すずちゃんののうみそ』の作者、竹山美奈子さんが 娘のすずちゃんと、保育園時代の友達の再会した場面について語ったコラム。 すずちゃんのありのままを受け入れてくれたお友達への感謝とともにこの言葉が語られていました。
“「障害じゃなくて個性、子どもはみんな同じ」と言われても、何か腑に落ちなかった。「こんなに多動で過敏で、みんなとは違うよね」(中略)同じでなきゃいけないのかなあと、もやもやした。” “すずちゃんがよくする横目やしかめっ面も(中略)園児がまねると本当に面白かった。自閉症独特の表情だと、気にしていた自分を小さく感じた。” “自分と他人。同じところがあれば親近感が湧く。でも異なる意見の持ち主でも、その違いが面白かった。 同じってうれしい。違うって楽しい。娘と他の子もそれでいい。娘は娘だ。”
この記事を読んだとき 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の中にあった「エンパシー」という言葉を思い出しました。 自分と共通点のある人に対して抱く親しみ、共感は「シンパシー」。 それに対して 価値観や立場の違う相手に対して想いを致すことが「エンパシー」なのだと。
インターネット草創期の頃 居ながらにして世界中の人とつながれる それは多様な意見とふれあい、自分の価値観を広げるきっかけになると思っていました。 でも実際にはそれと逆のことが起こってしまった。 似たような価値観を持つ者同士だけが閉じたコミュニティを作り 違う意見を排斥し、罵り合い対立するようになってしまった。
でも 違うって楽しい。を知っている、すずちゃんのお友達は その不寛容さの前で立ち止まれる人になってくれるんじゃないか。
そしてこれから親の元を離れて社会に出ていく息子にも 他人と違うことを恥じずにいてほしいと、切に願うのです。
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