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「この表情は学んだものだ」 |
浦沢直樹のマンガ「MONSTER」の登場人物の一人 ヴォルフガング・グリマー。 国家による実験教育で感情を奪われた彼は その状況に応じた表情を作ることを学ばされます。
「この表情は学んだものだ」 つくりものの笑顔をいつも張り付かせていることを 彼自身が一番悲しいと思っていて そして主人公テンマに、折に触れこう問いかけるのです 「この表情でいいのかな… こんな難しい感情、教わってないよ」と、不安そうに。
息子を見ていて、時折彼を思い出すのです。 息子のいまのこの顔は、本当の気持ちを表しているだろうか。
“社会”に適応するために、良かれと思って私が教えてきたことは この子をかえって不安にさせてないだろうか。
2歳過ぎてようやく笑うようになった息子。 彼の笑顔を守りたい、そう思って生きてきたつもりだけど
作り物の、借り物の笑顔で この表情で合っているだろうかと 内心ビクビクしながら暮らしているとしたら あんまり申し訳ないじゃない。
だから、 たま~に弟とケンカしている声が聞こえると なんだかとってもホッとするんです。
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