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マズローの欲求階層説 |
保育園がらみの講演会で、「マズローの欲求階層説」なるものが紹介されていた。
自己実現self-actualization 自分の能力を発揮して創造的活動をしたい ↑ 承認欲求esteem 他者から価値ある存在と認められたい ↑ 親和欲求love/belonging 他者と関わりたい、集団に帰属したい ↑ 安全欲求safety 生命に関するものを安定的に維持したい (Wikiには“予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求”という記述。 おおっまさに自閉症児が求めてやまないものじゃないですかっ) ↑ 生理的欲求physiological 空腹、睡眠など、生命を維持したい
下位の欲求が満たされた後に上位の欲求が生じてくるのだという説だそうで Wikipediaには「マーケティングの分野においてはよく受容された」という記述がある。 確かに、ググってみて上位にヒットしてきたサイトはあまり福祉や教育とは縁がなさそうなものばかり。
でもこの図をみて、なんとなく中川信子先生の「ことばのピラミッド」を連想した。
空腹・睡眠への欲求が満たされない時、些細なことでも、あきのすけはパニックを起こしていたっけなあ。 度を超えた怖がりで、いつでも不安で、ほんのちょっとの日課の変更にもいちいち動揺していたっけ。
なにかを「教える」ことができる以前の状態だったあの頃。 ぶっちゃけ「オレはいまそれどころじゃねーんだよぉ」だったんだ、って いまだから分かるのだけれど。
自閉症は社会性の障害、というので 幼子の親は「この子は他人への関心がない」ということをものすごく心配するのだけれど 親和欲求はけっこう高次の欲求で。 自閉症児は、実はその前の段階でつまづいてしまっているんだから そこばっかり心配してもダメなんだ、ってこと。
「ほめる」という行為が社会的強化子として機能するのは 第4段階の承認欲求が現れてから。 「お兄ちゃんパンツかっこいい~♪」がトイレトレーニングに取り組む動機づけになるのも。 かなり後の話なんだなってわかる。
学説としては批判もあるようだけれど 自閉症児の発達段階と照らして どんな欲求に応えてやるべきか どんな応答を期待できるか 考える参考になるかも。
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