2011年9月20日 朝日小学生新聞生活特集 朝日おかあさん新聞vol.88より抜粋
脳科学者と共同研究をしながら発達心理学の立場から子どもの認知発達の研究をしている田島信元先生に話を聞きました。
(前略) 脳の中で、人間として最も重要な機能をつかさどっているのが、前頭葉の「前頭前野」という部位です。ここは認知、記憶などの知的な能力とまったく同等に、コミュニケーション能力をつかさどっています。「~してはいけない」と行動を抑制したりする行動調整、笑顔を発したりする情動調整など、人間特有のコミュニケーション機能の指令もここから発せられています。1)
発達心理学の分野では、人間が生まれながらにもっている学習能力を「コンピンス」(潜在能力)とよび、潜在能力を発揮してできる具体的な知識や技能、態度を「パフォーマンス」(顕在能力)とよびます。赤ちゃんや幼児は文字も知らないのに、親との対等な会話を通して、知識や技能、態度を瞬時に学習しますね。この学習能力は、「社会の中で」「対等に」「対話しながら」「他の人と活動を共有」するという条件のもとで大きく発揮されるのです。2)
0歳から3歳ぐらいまでの間は、親との対話を介してさまざまな経験を繰り返していくことにより脳が活性化され、脳の神経線維は束となって刺激を伝達、処理する道筋をつくっていきます。3)
神経信号の道筋(パス)ができた三歳から十歳ぐらいまでは、学習を繰り返すことで、脳のパスを効率の高いシステムにしていくことができますが、ここでも新しいパスをつくるためには、両親やきょうだい、学校の先生や友だち、親類のおじさん、おばさんというように、他の対人関係の中で学習する必要があります。十歳~思春期前期は思考訓練の時期で、自分の中で熟考を通して、それまでにできたパスを整理したり、再構成したりして、一人前のおとなの脳に成長していきます。4)
このような成長過程で特に重要なのが、親子のコミュニケーションです。小学生なら対人関係のウェイトは親が二割、教師が三割、友だちが五割ぐらいですが、親子関係は友だちや先生とのかかわりの中で脳の発育が促されるのを支援してくれる、土台的な働きをします。家庭では子どもを甘えさせることも大事で、甘えていい相手がいることが子どもの気持ちを安心させ、外での活動を積極的にします。5) (後略)
以下は、私の心の声。 1)おおっこれぞまさに、発達障害児にとって困難な部分じゃあないですかぁ。前頭前野、超重要かも。¢(. . )メモメモ 2)この「親との対話」「瞬時に学習」を、してくれないから困ってんだよねえ。 うーむ、だから意図的に半強制的に 「社会の中で」「対等に」「対話しながら」「他の人と活動を共有」させるのが療育、ってわけか。 3)あイタタ。この時期に「親との対話」が難しい自閉症児の場合は、脳の神経の道筋がうまく作られないってこと? 「頑張っていろいろ経験させましょう」って言われるのはこういう意味があったのね。 そういえば、「自閉症者の脳はいわば長距離電話回線が少ない状態」なんていうTIME誌の記事もあったっけ。 4)いちおう、3歳過ぎても新しいパスを作ることは可能なのね。(ホッ) この辺から、親以外の人間との関わりも重要になってくる、と。 いわゆる「10歳の壁」っていうのは、神経回路の整理整頓、 ここも発達障害の子の場合はうまくできないってこと、確かにありそうだな。 5)小学生は親が二割、うわあ、意外に少ないんだ。あきのすけの場合は友だち五割もないと思うけど(^ ^;) 親ができることって、いつのまにか少なくなっちゃったんだなあ。ちょっぴり寂しい気も。 いまのうちにせいぜい甘やかしちゃおーっと。
ということで、市販の脳トレゲーム等を与えておけばオッケー、じゃなくて、親もサボらずに子どもの話をきちんと聞いてあげましょう、と。 最後に「5分でできる脳元気ゲーム」簡単なゲームを通じて親子のコミュニケーションを図り、脳の活性化も促しちゃおうという。要は先生の著書の宣伝なのでちょっと悔しい気がして買ってませんが(爆) 家庭療育だSSTだと、肩ひじ張らずにやってみるにはいいかもです。
10歳以降、親として何ができるのかなあ、ということが最近気になっているんですが これまでやってきたことの意味を再確認できて良かったかな、と思いました。 早期療育のもつ意味と重要性、 そして、
いつまでも「親がしっかりしなきゃ、親が頑張らなきゃ、親が親が」言うなぁっ!
ちょっと声を(フォントを)大にして吼えてみました(^ ^)
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