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「どんぐりころころ」3番 |
今朝の朝日新聞で「どんぐりころころ」の3番の歌詞が紹介されていました。
どんぐりころころないてたら なかよしこりすがとんできて おちばにくるんでおんぶして いそいでおやまにつれてった
きっかけは、福島県相馬市に住む方の想いを伝えた読者投稿記事でした。
“福島のどんぐりたちは、どじょう政権に遊んでもらった後、お山に戻れるのかなあ”
今日の追跡記事では、その時の心境をこう語ってられます。
“野田首相が自らをどじょうに例えた時に、どんぐりころころが頭に浮かんだ―私はどんぐりなんだ。 (中略) みんな、どんぐりなんだ。お池にはまっている。誰でもいいから助けて”
3番の歌詞を作られたのは、1、2番を作られたのとは別の方、作曲家の岩河三郎さん。 岩河さんは平成16年にNHKの取材の中で リスは歌詞に「お母さん的愛情をプラス」させるために登場させたのだと語ってられるそうです。
母なる樹を離れて、見知らぬ遠い土地へ転がっていってしまったどんぐり坊や。 純粋に生物学的な見地を取るなら 種の繁栄のため、生息域の拡大のため、 坊やはその新しい土地に根を張り、強くたくましく生きていかねばならないのです。
どんぐり坊やが泣いたまま終わるオリジナルのちょっぴり切ないラストは 坊やがいつか泣きやんで新しい命を芽吹かせることへの 幼い者が持つ生命力への 期待をこめたものであったかもしれません。
たぶんそれは 父親の視点だと思います。 成長の時代を背景とした、希望の物語。
窮地に陥った無力な存在としてどんぐり坊やを見るならば 岩河さんの3番は救いの物語です。
自分で動けないどんぐり 水から出られないどじょう このままではどんぐりは窒息して腐敗して朽ち果てるしかないから。
ふとしたきっかけで、坂を転がり落ちてしまった 元の暮らしに戻りたい せめてこの沼からはい上がりたいのだと その切実な訴えに耳を傾けて 救いの手を差し伸べ優しく包み込んでくれる誰かが必要なのだと―
この歌詞が作られたのは昭和61年だそうですが 平成という時代には この歌詞が共感を得て 普遍的な物語になるだけの理由がきっとあるのだろうと思います。
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