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親の自立 |
「自閉症の子は、一人では、一年は幸せになれても、一生は幸せになれない」
尊敬する先輩の一人、カイパパさんのブログの中の 「本気で地域で暮らしていこうと思っていますか?」 という記事に出てくる言葉です。
あきのすけが長年お世話になってきた療育園から やむをえない事情で外来療育教室を休止せざるを得なくなった、 というお話をいただきました。 そうしないと本来業務である通園施設の運営の方に支障が出ると。 残念なことではありますが、
「あきのすけは卒業生だから、もしもあの園がなくなったら いま通っている小さいお友達がとっても困るっていうことは、わかるよね。 大きいお兄ちゃんだから、少し我慢してあげよう。 あなたは学校と学童で、がんばってください。」 そう説明しました。 彼がどこまで理解したかは解らないけれど、 こっくりうなずいてそれきり何も言いませんでした。
しかし、ここに代わる場所がすぐに見つかる当てはなく 利用者一同に少なからぬ動揺が走ったのは確かです。
いまでこそ高機能自閉症児として地域の支援級に通っているあきのすけですが 思えば乳幼児期から手厚い支援をいただくことができました。 もっと障害の重いお子さんたちに混じって療育を受け、 地域の支援者さんも紹介してもらい 仲間のお母様方と情報交換したり愚痴をこぼしたり、 そんな中でずっと生きてきて 人付き合いの苦手な私ですが 彼を支えてくれるネットワークはそれなりに作ってこれたかな、と思います。
でも地域の学校に入って気づいたことは 頼れるものはせいぜい学校だけ、そこで得られる支援にも不満を感じていて 一生懸命講演会などで勉強はするけれど実際に我が子をどう支援していいのか解らず 似た立場の親と話す機会もなく 情報を得るルートもなく 孤立している親が、結構たくさんいる、ということ。
16人にひとりとも言われる軽度発達障害児、年齢も悩みも多岐にわたるこの子たちを ひとつやふたつの療育施設や相談機関でフォローしきれるのか? あきのすけが受けてきたような支援を 全てのお子さんが受けることは物理的に不可能であるならば、 「誰かがセットアップしてくれた支援体制に乗っかる」発想から 親も脱却しなければならないと 今回の事はそう受け止めなければならないのかもしれません。
カイパパさんの記事を読んだ頃、 まだ嵐の中にいた私には「地域をどうする」なんて遠い世界の話でした。 でもそろそろ、自分なりにできることもあるのかなって気がしつつあります。
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