|
歳の差きょうだいの落とし穴 |
夏休みの日課にもようやく慣れ、 黙っていても 朝顔の花を数え、 玄関掃除をし、 ご飯を食べて学童にいそいそと出かけ、 帰ってきて宿題の答え合わせをして テレビ・風呂・メシ・寝る…と、穏やかな日々が続いていたのですが。
そう、世間にはお盆休みというものがあるのです。
あきのすけの学童保育も、 Qちゃんの保育園もお休み。 頼みの父ちゃんは…「え、出勤するの!?」 「うん、まあどうしてもって言うんなら早めに帰ってきてもいいけど」 「…いや、別にどうしてもっていうほどの、用事があるわけじゃないけどさ。」
朝からいい天気。気温もうなぎのぼり。 宿題もあとは絵日記を一枚残すのみ (毎日描くのではなく、特にイベント的なことを二日分だけでいいのだ。楽でいいなあ)。 どうやってガキどもの暇をつぶさせようか。
Qちゃんひとりなら「ちびっこプール」にでも連れてくんだけど、 確か小学生はご遠慮下さい、だったよなあ。 市営の温水プール…あきのすけ、体だけはでかいから、 そろそろ女子更衣室に連れて入ると嫌がられそう。 と言って、ひとりで男子更衣室に行かせるとぜーったい忘れ物とかしそうだし。 日帰り温泉も同上。 そっか、だからお子さんが大きくなると皆さん「行動援護」でヘルパーさん頼むようになるんだ。 図書館も、科学館もこないだ行ったばっかりだし、今日の気分は水遊びだよねえ。
そうだ、隣町の公園に、確か親水池があったはず。 あそこなら年齢制限ないし、お金もかからない♪ 一応子供らの水着と着替えのTシャツ、母ちゃんのビーチサンダル、 バスタオルと水筒を持って、帽子をかぶって、出発。 駐車場から坂道を登って、めざす親水池に…
…水が、ない。
ガーン。
公園入り口には、ご丁寧に「ご利用上の注意。必ずサンダルを履きましょう云々」の まだ新しい看板も立っているというのに。
お盆休みだから? 平日だから? 何か事故でもあった? Qちゃんが生まれる前には、あきのすけを連れて何度もここで水遊びしたのに。 どこにも、何の説明もない。
「どーして、みずがないのお?」 半ベソの、あきのすけの絶叫が響き渡る。 「しょうがないね。他の公園に行く?」 「遠いからヤダ」 「じゃあせっかく来たから、他の遊びしよう。滑り台とか」 「ヤダ。帰る」「じゃあ帰ろう」「ヤダ」どっちやねん。
そんな兄と母を尻目に、適当な遊具を見つけて「これのる!」と遊び始めたQちゃん。 俺の方が上手だぞとばかり、気を取り直して一緒に遊び始めるあきのすけ。 ああ、きょうだいっていいなあ。
…と思ったのもつかの間。 あきのすけがアスレチックに行こうとすると、ついていってマネをしたがるQちゃん。 無理だって。危ないって。と連れ戻すのにひと騒動。 とにかく歩くテンポから、使える遊具から、7歳と2歳の差は大きすぎる。 母はどうしてもQちゃんのそばを離れるわけにいかないし 自然あきのすけを引き止めたり我慢させたり叱ったり…という場面が増えてしまう。
「じゃあそろそろ帰ろう」と子供らを促すと、 あきのすけは後ろを振り返りもせずスタスタ、 Qちゃんは最初に乗った遊具を見つけまた「これ、のる!」 気が済むまでちょっとだけ乗せるか、「いけません。置いてくよ」宣言するか、 すったもんだしているうちにも兄との距離はどんどん離れ…。
「あんたたちねえ!母ちゃんの体はひとつしかないんだよ。 めいめい勝手なこと言うのもいい加減にしなさい!!!」
楽しく遊びに来たはずが、これじゃあしようがないよねえ…。
スポンサーサイト
|
|