配るお菓子がなくなって、人も減って静かになったところで、もう一度お菓子をもらいに出かけてみる。すっかり気を取り直したあきのすけ、今度はニコニコと列に並び、バケツを差し出したり、トレイに並んだお菓子を選り好みしたり。さすがにTrick or Treat!とは言えないが、「さんきゅー」は言えるようになった。 各家の装飾を眺めながらのんびり歩いているうちにバケツはだんだん重くなり、お菓子を配り終わった家の門灯はひとつまたひとつ消え、子供達の姿も消えて、ついさっきまでのお祭り騒ぎが嘘のように、いつもどおりの静かな住宅街に戻っていく。ジャック・オ・ランタンの灯りだけがポツポツともって幻想的な雰囲気をかもし出していた。