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イタリアへ行こう(日本語版) |
「オランダへようこそ」という有名な詩があります。 このブログでも、「美しきオランダ」というタイトルの別記事で拙訳を掲載しています。 とてもいい文章だと思うのですが、発達障害のお母様方からは「ちょっと…こんな心境にはなれない」「違和感がある」という評判を聞くことがあります。 出生直後に診断され、外見上の特徴もあるダウン症(↑の著者はダウン症の子を持つお母様です)に比べて、診断自体も曖昧で、障害受容に時間がかかる発達障害の子の親は、 「やっぱり…イタリア、諦めきれないわ」と思ってしまうのですね。
それならいっそ、オランダ経由でイタリア、目指してみたらどうだろう。 そんなことを思って、こんな文章を書いてみました。 「オランダへようこそ」への返歌ですので英語版も用意してみました(別記事)。 なんせ私の英作文ですから、難しくないと思います(笑)
ガイドブックも手に入れた。 素晴らしい人々との出会いもあった。 オランダ。 うん、ここもそんなに悪くないかも。
でもここで出会った友人たちには、こんなことを言う人もいる。 「努力はしたわ。できる限り頑張ってみた。でもやっぱりオランダは好きになれない。」 「どうしてもイタリアへ行きたいのよ」 「こんなところにいるのはもうイヤ」
じゃあさ。 行ってみようよ。 イタリアを目指して。
飛行機に乗るのはもうコリゴリ。 また変なところへ連れて行かれたらたまんないもんね。
だから、歩いていこう。 時間はうんとかかるかもしれないけど。 辛い旅になるかもしれないけれど。 ともかく、一歩ずつでも着実に、前に進むことはできるから。
ベルギーを通っていこう、チョコレートでもかじりながら。 ドイツを抜けて行こう、ビールとソーセージでもいただきながら。 フランスにも寄っていこう、セーヌ川とエッフェル塔を眺めながら。
道を間違えることもあるかもしれない。 別々の道を行かねばならないかもしれない。 でも少なくとも、ひとつところに留まることはない。
考えてみれば大旅行だよね。 まっすぐイタリアに到着していたら、こんな経験できやしなかった。
長い旅の終わりには、そう、あの高く険しいアルプス山脈がある。 もし…どうしても、そこを越えることができなかったなら、
スイスでチーズ=フォンデュパーティーでも開きましょうよ。
道中ご無事で。 いつか、どこかでお会いしましょう。
あ、著作権は放棄しませんので、ご注意下さい。 個人的にお友達に紹介してくださるのは全然オッケーです。
(2012年4月14日追記) アクセスカウンターが昨日からすごいことになっていると思ったら 某掲示板でこちらの記事をご紹介くださった方があるとのことで ありがたいことですm(_ _)m
関連記事 失うもの http://akihaha.blog17.fc2.com/blog-entry-400.html も併せてお読みいただけると嬉しいです。
私自身の中では オランダにとどまってチューリップを植え続けることと 徒歩でイタリアを目指すこととは 決して相反することではないんです。
意に反してオランダに降ろされてしまった、 その痛みをずっと抱え続けながら いつの日か、それを肯定的に受け止めることができたら。 そしてそれぞれの場所で ―それがオランダだろうがイタリアだろうがスイスだろうが― 頑張っている仲間たちと 互いに労をねぎらい祝福しあうことができたらいいな、と。
そんな想いを込めて書いた文章です。
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【2015/09/18 22:52】
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昨日の記事、「オランダのチューリップ」に、たくさんのコメントとツイートをいただいています。
あき母さんが、AUTISTICな日々「イタリアへ行こう」を教えてくださいました。「オラ ... カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル【2011/03/01 21:50】
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