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成せば為る |
「なせばなる なさねばならぬ なにごとも ならぬはひとの なさぬなりけり」
あまりにも有名なこの言葉。 突然ですが、これをちょっと英語に訳してみてください。
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いえ、私も決して英語が得意なわけじゃないんですけどね。 なので「正解」は用意しません(爆) 「なさねばならぬ なにごとも」ここどう訳しました? You must do anything. みたいな表現になってませんか?
下の句が「やらないからできねーんだよ」的なキツイ表現になっちゃっているので、ついそれに引きずられて、「なさねばならぬ」を「やらなきゃいけない」という意味だと思っている人が結構いるんじゃないかと。 で、この格言全体の意味を 「人間に不可能はなーい!頑張ればなんだってできる。できないのはお前の努力が足りないからだぁ」 とスポ根的に解釈して、他人に対して高圧的態度で使用する困ったチャン、いるでしょ? でもこの格言、もっとやわらかい意味じゃないのかなあと思うのです。
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「なさねばならぬ」は漢字で書くと「成さねば為らぬ」。 やってみもしないのに、できるわけないでしょう? 頑張ってみてごらんよ、と、ポンと背中を押してくれる、優しさのこもった言葉じゃないでしょうか。 頑張ればなんだってできるはずだ、と相手を追い詰めるための言葉ではなくて。
「ならぬはひとの なさぬなりけり」という下の句に厳しさを感じてしまうのは、 自分では何も行動を起こさないくせに「世間の風は厳しいよなあ、世の中間違っているよなあ」とグチグチ言ってみたり、 「どうせできないしぃ、やっても無駄だしぃ」と諦めてしまったり、 そんな自分の甘えや、ふがいなさを突きつけられるから。
理不尽なYou must do!が横行する世の中だけど、少なくとも自分はそれを言わない人間でありたいと思う。 誰にも得手不得手はあるし、能力の限界はあるのだから。 自分にできることをやればいい。 でも、できることは、一生懸命やらなくちゃいけない。 エネルギーの使いみちを、間違ってはいけないのだと思う。
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