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人間万事塞翁が馬 |
少し前の話だが、あきのすけのクラスだよりに載せるので好きな言葉を教えてくださいと言われて、挙げたのがこれ。 「親力」シリーズで有名な親野智可等先生が、著書やメルマガでたびたび引用されるのでなんとなく頭に残っていたのだ。
一般にはこの言葉、「生きているうちには良いこともあれば悪いこともある」 「禍福というのは予測できないものである」 「人生楽ありゃ苦もあるさ」 というくらいの意味で使われている。 しかし改めてこの元になった逸話を読み返してみると、もう少し深い意味があるんじゃないかという気がしたのだ。
ある日塞翁という老人の馬が逃げ出してしまう。 人々は気の毒がるが老人は残念がることもなく「いずれこれが幸いする事もあるだろうさ」と平然としている。 逃げた馬が良馬を連れて帰ってきた。 人々はうらやみ祝福するが、老人は「これが災いになるかもしれない」と告げる。 息子が落馬して足の骨を折ってしまう。 慰めに来た人々に老人は「このことが幸いするかもしれない」と告げる。 一年後戦争が起き、若者たちが兵隊にとられ次々と戦死を遂げる中で、塞翁の息子は兵役を免れ生き残った。
まるで予知能力でもあるかのように、超然としている塞翁。 小市民は、なかなかこうはいかない。 悲運に見舞われ、絶望して自ら命を絶つ人。 金儲けに夢中になるあまり、顧客を見失いモラルを忘れ、足元をすくわれる人。 そんな話ばかりが連日伝えられている。
人生の悪い時期にも、決して希望を失わず。 良い時期にも、有頂天になって己を見失うことのない平常心。 最後に幸せをつかむのは、そういう人物なのだという戒めが、この逸話にはこめられているのではないだろうか。
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