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歯医者デビュー |
「治療が必要になってから慌てないように、かかりつけの歯科医を作っておいたほうがいいですよ」 という先生方の温かい助言を無視してここまできてしまった。 だいたい自分の子供の頃は、よほどのことがない限り歯医者なんて行かなかった。 おかげで私の歯並びはアメリカ人から見たらありえない代物になってしまったのだけれど。
夕食の豚ステーキアップルソース添え(前記事)を平らげ、機嫌よく遊んでいたあきのすけ。 突然、「歯が取れた~、食べちゃった~」とのたまうではないか。 な、なにっ! 慌てて口を開けさせると、幸い歯はまだそろっていた…が、下の前歯がぐらついている。 何か変なものでもかじったか? 気になっていじりまわすあきのすけ、「触るな触るな」とうろたえる母。 夜だし。父ちゃんもまだ帰らないし。どうしよう。 ん?待てよ。もしかして…? あきのすけ5才6ヶ月。忘れていたけど、そろそろ永久歯に生えかわってもおかしくない時期だ。 そっかあ、そうなのかあ、生意気に。 でも「変なものをかじった」疑いも捨てきれない母、「歯医者行く?」と聞いてみたら「いく」と言う。
いく、はいいのだけど、どこに連れて行こう。
悩んだ末、私のかかりつけの歯科医にそのまま連れて行くことにした。 私の治療の際、いちいちよそに預けるのも大変でしょうとのお言葉に甘えて、あきのすけも一緒に連れて行って、スタッフルームではいはいさせたりビデオを見せたりしていたのだ。彼が「歯医者いく」に抵抗を示さなかったのは、先生やスタッフに可愛がられた記憶しかないために違いない。 なまじ知らない場所に連れて行くほうが、かえって危険。何か問題があれば、またそのときに考えよう。
朝から連れて行くとすると、園を休ませなきゃ?と心配していたが、あきのすけもかなり落ち着きを取り戻していたので、帰宅後に連れて行くことにした。 週の半ばの午後、待合室にはほとんど人がいない。よかった。 初診ということで問診表記入。「軽度知的障害(自閉症)、処置の前に必ず内容を丁寧に説明してください」と書いて渡した。
まずは「歯のお写真とるよ~」とレントゲン撮影。私はQちゃんを抱いているので室外で待機。撮り直しはしたが、特に暴れたり混乱することもなくできた。 診察椅子に上がる。 助手さんに「ブクブクしてね」と紙コップを渡され、ブクブクペッして紙コップを置く。 と、自動で水が注ぎ足される。「お水、ジャーって、出てきたねえ」と不思議そうな顔。 そしておもむろに、再びコップを取って、ブクブクペッ。 コップを置く。水が出る。ブクブクする。 コップを置く。水が出る。ブクブクする。 以下繰り返し。 うーん。そうきたか。
レントゲンが出来あがってきた。しっかり永久歯が写っている。 「だいぶグラグラしてるので、本人がひどく気にするようなら抜くこともできますし、そのまま様子見てもいいですけど。どうします?」 昨夜「(歯を)とる~」と騒いでいたあきのすけ、もう抜いてもらうつもりでいるだろうと思って 「あき、歯抜く?…抜かない?」と聞いてみたら、「ぬかな~い」という返事。 あれ?君何しに来たの? まあ今日は初めての歯医者なので、無理しないことにして。 「じゃあ消毒と歯の掃除しておきましょう。ほら、歯医者さんの歯ブラシだよー」 回転する電動歯ブラシを見せてもらって(ああ、これは好きそうだ)、 手の甲にちょっと当ててもらって。 いつも園の先生に仕上げ磨きしてもらっているからか、嫌がらずに磨いてもらっていた。 椅子が電動で上がったり、倒れたりするのは、ちょっと驚いていたけれど。 照明がまぶしいのも、ちょっと嫌な顔していたけれど。 走り回りも、パニックもなし。よくがんばりました。マル!
帰宅後のコメント「歯医者さん行った。治った。」いや、治ってはいないと思うんですけど。
がんばったごほうびに、新しい絵本を一冊。 歯が抜けるお話の本も、探しておかなきゃね。
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