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あきのすけと英語4 |
帰国から5ヶ月。 英会話教室の月謝をケチってDVDを買ってみたりもしたが、やはり「人間と」会話をしなければ言葉というものは意味をなさないらしい。 家族で一番美しいネイティブ並みの発音を誇っていたあきのすけだが、既にカタカナ英語にまで退化してしまった。 「彼のお気に入りだから」とプリの先生にプレゼントしてもらった絵本も、いつのまにかほとんど読めなくなってしまっている。 数はかろうじてまだ数えられるが、10以上の数はだいぶ怪しくなってきた。 慌てたあき父が、朝夕とってつけたように英語で話しかけているが、時既に遅しの感は否めない。覚悟はしていたが、ちょっと寂しい。
それでも、プリスクールで撮った写真などを目にすると、いまでも「がっこう!」と嬉しそうに叫んでいる。ご近所の日本人のお友達の中には、現地のプリに入れたもののアメリカ人のお友達になじめないという子も少なくなかったのに、あきのすけときたら最初の週から私が迎えに行っても「帰りたくない」と駄々をこねたのだから。 髪や肌の色、言葉の違いなんかよりも、自閉症児と定型発達児の間に横たわる文化の違いの方が、彼にとってはよほど大きな壁だったのかもしれない。
そんな彼が、最近自発的に口にする唯一の英単語が「good」。 親指と人差し指でクルッと輪っかを作る例のサインとともに(これは日本に帰ってから覚えた)、得意げな表情で発するこの言葉だけは、まだカタカナの「グッド」に毒されていない。 good boyが「いいこだね」、 greatやexcellentが「すごい」「よくできました」に置き換わっても、 子供を褒める文化は忘れてはいけないと思う。
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