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アメリカのトイレ事情 |
最近日本でも幼児を狙った犯罪が増えている。それを受けて、某ネット掲示板で、こどもをひとりでトイレに行かせることの是非について議論が白熱していた。 あきのすけについて言えば、ようやくオムツが取れた\(^ ^)/ばかりで、まだ立ち小便もできないし、ウンチのあと自分でお尻を拭くこともできない。従って外のトイレをひとりで使わせることなどあり得ないわけだが、それ以前にここアメリカでは、子供をひとりでトイレに行かせてはいけないことになっている。幼児虐待で通報されてしまう。いや、実際にレイプや誘拐といった事件が起こっているのでそうなっているのだ。 ここでは子連れトイレ事情および、障害者用トイレ事情について、見聞きした範囲で書いてみようと思う。
1.子連れトイレ事情 アメリカのトイレには必ずと言っていいほど、オムツ替えの台が設置されている。男子トイレに設置されていることも珍しくないそうだ。 手拭き用のペーパータオルあるいはハンドドライヤーもついているので、ハンカチを忘れたと言って慌てることはない。まれに自然公園のポットン便所や、イベント会場の仮設トイレなどの例外もあるが、そういうところでもサニタイザー(消毒用アルコール)は置いてあることが多い。 土足なので床は必ずしも清潔とは言いがたいが、入る気も起きないほど臭くて汚れたトイレというものには、幸いにしてこれまでお目にかかったことはない。 幼稚園以下の子供は親と一緒の個室に入る。 就学年齢以降でも、同性の親となら問題はない。アメリカの公衆トイレはドアの下部が大きく開いていて、ふくらはぎぐらいまで見える。ドアの横の隙間も1センチくらい開いていたりする。トイレを究極のプライバシーと考える日本人には抵抗があるが、これは主に防犯上の理由によるのだそうだ。確かにこれなら自分が用を足している間も隣の個室や扉の前にいる子供に目配りができるし、個室内に異変があれば突入/脱出することもできるわけだ。 問題は異性の子供の場合。Family Restroomがある場合はそれを利用するそうだ。これは日本で言うところの多目的トイレにあたると思うのだが、異性の親子やベビーカー利用者、介助の必要な大人同士などが自由に利用できる。ただ、実際に設置されているのは大きいショッピングモールや遊園地などに限られていて、一般のスーパーなどでは男女別のトイレのみ。そういうところで小学生以降のお子さんがどうしているのかは寡聞にして知らない。必ず同性の親と一緒に出かけるか、危険そうな場所で用を足さずに済むよう配慮しているのかもしれない。 ちなみに息子の学校の男子トイレの入り口には、「女性スタッフが介助のため立ち入ることがあります」という張り紙があった。
2.障害者用トイレ事情 ここM州には山がない。河岸段丘はあるが基本的に行けども行けども平坦地だ。 それから人口密度が低い。土地が余っているので、高層ビルなんてダウンタウンに数えるほどあるっきり。だから歩道の幅は広いし、段差もほとんどない。きっと階段を作るよりスロープにするほうが簡単で安上がりなんだろう。だから基本的にどこでもwheelchair accessible(車椅子で進入可)だ。 そんなアメリカには、「障害者専用」トイレは無い。 清潔で使い勝手がよいのは先に述べたFamily Restroomだが、日本の多目的トイレよりも圧倒的に設置数が少ない。ではどうしているのか。 実は普通の男女別トイレに、必ず車椅子の入れる広い個室が最低ひとつは設置されている。 小さい店の場合は大小の個室ひとつずつとか、場合によっては広い個室一個だけというところもある。こういう状況で、車椅子専用だから一般のお客さんは使ってはいけません、なんてことはあり得ない。実際、この広い個室にオムツ替えの台が設置されていることも多い。普通の個室に二人で入るのは手狭なので、ありがたく使用させていただいている。本当に必要な人が来たら順番を譲ればいいのだ。
日本でも、従来の障害者専用トイレが防犯上の理由で多目的トイレに移行したという事情があるそうだ。おかげで子連れの外出は楽になったが、今度は障害者の方が使いたい時に使えないという問題が生じてきているのだとか。 譲り合い助け合って、気持ちよく使いたいものである。
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