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「冷やしうどん」でコミュニケーション |
あきのすけは無類の麺好きだ。 中でもうどんは大好物だ。 そこで暑い日の昼ご飯は、冷やしうどんが頻繁に登場する。
もれなく食べてくれる、ということのほかに、コミュニケーションの訓練に格好の食材なのだ。
全員分の麺をテーブルの中央にどん!と置く。 まだ箸が使えないあきのすけは、自分でうまく取ることができない。手づかみしかけて、あ、違った、と手を引っ込めて、「ちょうだい」 「なにを?」 「うどん」 「うどん?うどん、ちょうだい?」 「うどん、ちょうだい。」 ここまで言えて、ようやくふた口分ほどの麺が彼のお椀に入れてもらえる。 でもすぐなくなってしまうので、また「ちょうだい」「なにを?」…以下くりかえし。
HANENで言えば、 Build up=ちょうだい。うどん。うどんちょうだい。単語を積み上げて完全な文章を作る練習。 “What” question=何?質問に答える。 Bit by bit=一度にあげるうどんは少しずつ。そうすることで要求を出す、自分から会話を始める機会を多く設ける。 verbal model=うどんちょうだい。最終的に言ってほしい文章の「お手本」をタイミングよく提示する。 ただ食事をしているだけに見えて、これだけの要素が盛り込まれているのだ。 すばらしい。 もちろん他の語彙「むぎちゃ、ちょうだい」「もっと」「からっぽ。なくなっちゃった」なども、ちゃんと登場することを付け加えておきたい。
栄養バランスと、手抜き料理であることはこの際忘れよう。
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