自閉症者自身が自らの体験について語ることも増えてきた。 ・27才の大学生スー=ルビンは自身の人生を描いたドキュメント映画「Autism Is a World」のナレーションを執筆しオスカーにノミネートされた。 ・作家チャンディマ=ラジャパティラナ「自分の体がどこにあるのか考える癖をつけるのは生易しいことではない。私は自分が座っているのか立っているのか判らない。何かに触れていないと自分の体が意識できない。手を重ねてもらうと自分の手がどこにあるか判る。歩いていて足がぶつかると、自分が生きているんだと判る。」 ・英国のジャーナリスト、カムラン=ネイザー「知らない人と会話を始めることは自閉症者にとって一種の過激なスポーツなんだ。」 ・話し言葉を持たず精神発達遅滞と思われていた少女ハンナは、13才の時コンピューターのキーボードを打つことで初めて他者とコミュニケーションすることができるようになった。いま彼女は高校の生物学や代数や古代史を勉強している。両親は大学進学資金を用意しようと思っている。 彼女のように、充分な知能がありながらそれを周囲に知ってもらうことができず、発達遅滞として扱われている自閉症児がたくさんいるのではないかと思われる。