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It’s their problem. |
縁あって、先月からこちらのいわば「日本人障害児親の会」に参加させていただいている。 こう書くとなんだか堅苦しく聞こえるが、日本人医師とスタッフがいる(従って日本人がよく利用する)病院の一室をお借りして親同士が集まって、情報交換をしたり悩み相談をしたり、という集まりだ。 こちらの保健師さんが世話役をして下さっていて、言語聴覚士と心理の先生もボランティアで同席。正式なセラピーやカウンセリングではないが、日本語で相談できる場所や、同じ悩みを持つ仲間があるというだけでも心強い。
こういう集まりがある、ということすら知らなかったのだが、日本人駐在員が多いこの地域では、我が家のように障害児を伴って来た人、滞在中に生まれた子供に障害があると分かった人、というのが実は少なくないらしい。こちらのspecial educationのシステムは確かにしっかりしているが、やはり情報の少なさや孤立感は、日本で感じるそれよりもはるかに大きいことは想像に難くない。
集まりそのものは、ざっくばらんな井戸端会議という趣き。少し大きい子供さんのお話なども聞けて大変参考になった。 ちょうど昼食時間帯にあたるので弁当を持参したのだが、例によってあきのすけの食べっぷりの良さは皆さんに大受け。 いみじくも、日本でM先生に言っていただいた「あきのすけ君って、癒し系だよねえ」という評価をこちらでもいただいて、母は少し鼻高々。
さて表題の”It's THEIR problem.”は今日の集まりで仕入れてきた言葉。 こちらではいやなことを言ったりしたりする人に対しては、「その人自身に問題がある(悩みごとを抱えているとか、教育水準が低いとかetc)のだから気にしない」というニュアンスでこの言葉を使うのだそうだ。 障害児の親というのはどうしても、周囲に迷惑をかけていないか、なんとなくビクビクしながら生活している。特に一見それと解らない発達障害児などは、「躾がなってない」のそしりを受けがちだ。そして周囲の無理解なひとことに傷つき、It's MY problem.自分のせいだ、自分のやり方が間違っているのだ、と絶望感にうちひしがれる。 「そんなこと、言う方が悪いのよ。気にしない気にしない。」 そう言ってもらえれば、どんなに救われることだろう。 そう言ってあげられる人間が、いまの日本にどのくらいいるのだろう。 なんてことを、考えてしまった。
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