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漢字筆順辞典+ |
あきのすけが風邪で学校を休んでいる間も、 宿題は着々と毎日届けられます。 算数は大得意なあきのすけですが、 いま苦労しているのが「漢字の書き取り」。
読む方は、もうかなり難しい漢字も読めます。 それでつい油断していたのですが 指先不器用なあきのすけ、書く方はかなりつらいらしい。
そういえば、3才後半で「+」が書けなかったんだものなあ。 3歳と8歳のあきのすけは当然同じレベルではないけれど、 交差する線、斜め線、とめ・はね・はらい、 漢字を書くために必要な技術、微妙な筋肉の使い方は 基本的に苦手な分野なわけで。
でも身につけるべきことは身につけていただかねばならないわけで。
で、こんなサイトを見つけました。
漢字筆順辞典+ http://sikoku.jp/kanji/
「きょうかしょけんさく」で学年と、使っている教科書の出版社を選び、 一覧から現在の単元を選ぶと そこで習う漢字の一覧が現れ、 筆順をGIFアニメーションで見ることができるのです。
教室で習うときは先生が黒板に書いて見せてくれるのでしょうけれど チョークとか、先生の手とか書いている時の表情とか、物音とか、 そういった余計な情報なしに 純粋に字だけが現れてくるこのソフト、 視覚優位のあきのすけには感動的に解りやすかったようで しばらく熱心にパソコンを操作していました。
で、そのあと学校の宿題プリントに取りかかったのですが 時々迷ったように手を止めつつも ふざけて違った字を書いたり、自己流の適当な書き順に走ることなく 一度も母ちゃんに注意されることなく書き終えて得意げな顔でした。 こりゃいいわ。
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波乱の二年生スタート |
小学校最初の一年が、 親も先生もドキドキしつつ丁寧に対応してきたおかげもあって 思っていたよりは無事終了したことに、多少油断があったのかもしれません。
春休み、食事のマナーや戸の開け閉めを繰り返し注意されることが多く 自己肯定感が下がってしまったせいもあるかもしれません。
一年生の終わりごろから 「手をなめて、唾を顔と頭に塗りつける」ようなしぐさをし始めました。 どうも気持ちが不安定な時にするように見えるのですが さすがにちょっと、見ていて汚らしい印象を受けるので どうしたもんでしょう、と学年始めに支援級の担任に相談しました。 以前から服の袖や名札を噛んでいたので 口さびしくて、つい手をなめて、気持ち悪いから見境なくなすりつける?
「カミカミ用の腕輪」なるものがあるらしいと、試しに巻いてみたけれど つけていること自体が我慢ならないようで、一瞬にしてポイ。
ハンカチでも持たせて噛ませてみようか、 なんて相談をしているうちにだんだんエスカレートしてきて 毎日鼻の頭を真っ黒に汚して帰宅するように。
あきのすけの学校はクラス替えが一年おきなので 今年はクラスメートも担任も一切変更なし、 変わったのは教室と下駄箱と座席程度。 「一年生のお世話するんだ」と張り切っていたのに。
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音声ペン |
今朝のNHKニュースで知ったのだが、 「音声ペン」なるグッズが結構出回っているらしい。
そういえば「タッチペンで触れると国情報を読み上げる地球儀」なんてのがあった。 あきのすけの入学祝いに買おうか迷って、 高いので結局やめたけど(爆)
鳥類図鑑の、指定の場所にペンで触れると鳴き声が聞けるとか 外国語の会話文にタッチするとそれをネイティブの発音で読み上げてくれるとか (まあ別に読み上げてくれなくても、ガイドブックの会話文を指差しすれば だいたい事足りると思うけれど。)
その中で、 自分で好きな言葉を繰り返し録音・再生できるシールというのが紹介されていた。
ナカバヤシ「ボイスレブ リードライトペン」 http://www.nakabayashi.co.jp/service/news/detail.html?news_id=262&mode=view
ニュース映像では、 その日の予定をシールに録音してカレンダーに貼っておく、 というような使い方で紹介されていて 「そんなのカレンダーに直接書き込んでおけばいいじゃん」 と夫婦で突っ込んでしまったのだけれど
よくよく考えてみたら、 これ、音声コミュニケーションツールとして活用できるんじゃない?
実際、その直前に “駅員さんが外国人のお客さんと、ボードを使ってコミュニケーションをする” (外国語で質問の書かれたボードにペンでタッチすると読み上げてくれる) という映像が流れていた。 これを自閉症者に応用すれば。
この再生シールを、手持ちの絵カードや、コミュニケーションブックと組み合わせれば その人オリジナルの音声コミュニケーションツールが作れるってわけ。
これまでの障害者向け音声コミュニケーションツールは非常に高価なのが難点だったけれど この音声ペン、シール200枚とセットで9500円。 手の届くお値段ではないかと思う。
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変えることのできるものとできないもの |
今日の「天声人語」にとてもいい言葉が載っていました。
神よ、変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
(米国の神学者ニーバーの一節、大木英夫訳)
最後まであきらめないで戦う、って、他人事ならとってもかっこいい言葉。 そういう人を応援することで、 自分も一緒にがんばっているような錯覚に 簡単に陥ることができる。
でも人間のエネルギーは有限だから 頑張れない時だってあるし 明らかに望みのないことにエネルギーを費やすより さっさと方向転換した方がいい場面だってたくさんある。 “変えることのできない”と認めるのはとても悔しく敗北感を伴うものであるけれど いつまでも嘆いたり怒ったりしているぐらいなら そのエネルギーをもっと建設的なことに向けたほうがいい。 “変えることのできるもの”に。
それを「冷静に」見極めることが、多分いちばん難しい。
子どもの障害についても、 障害を取り巻く様々な施策についても。
必ずしも自分の意のままにならないことを受けいれるのは あるいは「あきらめ」であるかもしれない。 けれどもそれによって マイナスのエネルギーをプラスに変えることができるなら 悪くないと思う。
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就労準備性ピラミッド |
先日、親の会で教えていただいたのですが “就労準備性ピラミッド” 将来、就労しやすくなるためにこのようなスキルを身につけておくべきという目安になるものがあるんだそうです。
http://www.pref.nagano.jp/xeisei/withyou/inform/h21_hattatsu_syuro.pdf
1. 服薬管理、通院、健康管理、障害の理解等 ・健康管理・・・体調不良時の早めの気づき、休みの申し出、通院、服薬管理。 ・障害の理解 ・・・自分の障害や症状の正しい理解。
2. 金銭財産管理、規則正しい生活、就床起床、食事、衛生管理等 ・金銭財産管理 ・・・決められた生活費の中での計画的生活。 ・規則正しい生活 ・・・食事や睡眠、趣味や適度な運動。
3. 身だしなみ、会話、意思表示、環境変化適応等 ・身だしなみ ・・・場に合った服装、頭髪や爪、ひげそり等身体面での清潔保持。 ・会話・・・自分の意思を正確に伝え、相手の話しを聞く姿勢。 ・環境の変化 ・・・仕事内容の変化への臨機応変な対応。
4. ビジネスマナー、職場のルール、出勤状況、報告、連絡、相談、欠勤の連絡、指示に従える、安全管理等 ・ビジネスマナー ・・・仕事をする上での身だしなみ、言葉づかい、挨拶、電話対応、来客対応、欠勤の連絡や相談。 ・職場のルール ・・・様々なルールの中での報告や連絡方法等、会社独自のルールを理解し、指示を素直に受け止める姿勢。
5. 業務処理能力、作業速度、持続力、正確性等 ・作業の正確さ、仕事に対する意欲。
1.が基本で、だんだん後の段階をクリアするにつれて就労可能性が高まるんだそうです。 しかし、どれもこれも、自閉症者には結構ハードルが高いことばかり… ていうか、我が身を振り返ってもあまり自信がないかも(爆)
ただ、未診断のまま大人になってしまった場合は そもそも1.障害の理解 が欠けているわけだから それ以降も当然ガタガタになってしまうわけで。 「いくら学校の勉強ができても社会で使いものにならない」と言われる人々には こうした要因があったのか、と改めて考えさせられた次第です。
そして 「勉強さえできれば」と、こうした生活面のスキルがおろそかになるという現象は 既に広く蔓延しているようにも感じられるので
もちろん大多数の人々は意識して教えなくても身につけられることなんでしょうけれど みんなにとって大切な話なんじゃないかなあ、と思った次第です。
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