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リビングの中心で「まんま」と叫ぶ |
「赤ん坊って、本当に『マンマ』って騒ぐんだ」 ある日、あき父がしみじみ言った。 「なによ、いまさら」 「だって、あきのすけは言わなかったじゃない」 確かに。
弟・Qちゃんの名前の由来は、大飯食らいの「オバケのQ太郎」。 母乳の飲みっぷりの良さに始まり、とにかく食べることにかける情熱は並みじゃない。 食事をテーブルに並べ始めると、いそいそとハイハイしてきて、つかまり立ちでつまみ食い。 しかも親の皿から。
兄の時は手づかみ食べでさえ、 「ハイ手を開いて、パン握って、お口に運んで」 とスモールステップで教えなければならなかったが、 弟は適当な大きさに切って皿に並べて置いておくと、あっという間に空になっている。 それどころか、空になった皿をかじっている。 食べさせる時は、ちゃっちゃと口に放り込まないと怒りだす。 母は自分の食事どころではない。
大人や兄の食べているものは必ずおすそ分け請求。 とにかく年中食べることばかり考えている感じだ。 もしかしてこれが「普通」なのかもしれないけれど、 なんだか「すげえや」と思ってしまう。
夏の暑い頃、外でミンミンゼミが鳴いているとき、 家の中ではQちゃんが「まーんまんまんまんま~ん」と言っていた。 いまはちょっと進歩して、食べ物の気配がするたびに、 リビングの真ん中で手を伸ばして「まんま!」と叫んでいる。
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