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「冷やしうどん」でコミュニケーション |
あきのすけは無類の麺好きだ。 中でもうどんは大好物だ。 そこで暑い日の昼ご飯は、冷やしうどんが頻繁に登場する。
もれなく食べてくれる、ということのほかに、コミュニケーションの訓練に格好の食材なのだ。
全員分の麺をテーブルの中央にどん!と置く。 まだ箸が使えないあきのすけは、自分でうまく取ることができない。手づかみしかけて、あ、違った、と手を引っ込めて、「ちょうだい」 「なにを?」 「うどん」 「うどん?うどん、ちょうだい?」 「うどん、ちょうだい。」 ここまで言えて、ようやくふた口分ほどの麺が彼のお椀に入れてもらえる。 でもすぐなくなってしまうので、また「ちょうだい」「なにを?」…以下くりかえし。
HANENで言えば、 Build up=ちょうだい。うどん。うどんちょうだい。単語を積み上げて完全な文章を作る練習。 “What” question=何?質問に答える。 Bit by bit=一度にあげるうどんは少しずつ。そうすることで要求を出す、自分から会話を始める機会を多く設ける。 verbal model=うどんちょうだい。最終的に言ってほしい文章の「お手本」をタイミングよく提示する。 ただ食事をしているだけに見えて、これだけの要素が盛り込まれているのだ。 すばらしい。 もちろん他の語彙「むぎちゃ、ちょうだい」「もっと」「からっぽ。なくなっちゃった」なども、ちゃんと登場することを付け加えておきたい。
栄養バランスと、手抜き料理であることはこの際忘れよう。
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HANEN session8 |
いよいよHANENも最終回。 今回は卒業式モードで、これまでの家庭訪問の際撮影したビデオを順番に見たり、 「この講習会で何が一番有益だったか」 「子供への接し方がどのように変わったか」 などを互いに述べあい、e-mailアドレスを交換して終了。
ところで、改めてHANEN関係の記事を読み返してみたら、こんな重要な情報をどこにも書いていなかったことに気がついた(どこかの掲示板には書いた覚えがあるのだが)。
「質問の難易度」について。
自閉症の大きな特徴に「こちらからの質問に答えない」というのがあるのだが、それを克服するために、簡単な質問から徐々に難しい質問にランクアップするのがひとつのテクニックなのだ。 質問が難しくて答えられないとか、そもそも質問されたことにすら気がついていない場合には、こちらが一人二役で、答え方のお手本を示してやる必要がある。 以下、難易度の低いものから順に。
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HANEN session7 |
今回のテーマはオモチャの選び方・使い方。
限られた予算と収納場所の中で、どんなオモチャを与えればよいかというのは悩みの種。「子供が喜んで遊ぶのが良いオモチャ」と言うけれど、気がつくと車とかパズルとか、同じようなオモチャばかり。長時間ひとりで没頭しているのが好都合なこともあるけれど、あまり良いこととも思えない。 メーカー設定の対象年齢というのも、あまりあてにならない。 押すと光や音がでる赤ちゃん向けのオモチャに夢中になっているのを見ると、やっぱりこのままではいけないんじゃないのかなあ。と不安になる。
どんなオモチャを与えたらいいのか。 遊びを通じてコミュニケーション能力を養うためにどうすればいいのか。
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HANEN session6 |
今回は本について、がテーマ。 発達段階ごとにどのような本を選んだらいいか、子供の興味をひきつけるにはどうすればいいか、内容の理解を促すためには、といったことが書かれているのだが、 実はあきのすけは、もうひとりで絵本が読めてしまう。自慢じゃないけど。と言いつつ自慢してるんだけど(汗)。 じいじから贈ってもらった「きかんしゃやえもん」、字も多いしまだ難しいかな、と読んでやらずに本棚に入れっぱなしにしていたら、いつのまにか自分で引っ張り出して読んでいた。母ちゃんに怒られた時「そんなにおこるな、けっとん」という返事が返ってきたので力が抜けてしまった。 最近では母ちゃんが読んでやろうとすると怒るので困っている。 とHome Visitの時P先生に相談したら、「気長に、楽しくintrude(介入)してみて」と予想通りの返事しかもらえなかったのだが、昨日は文章の最初の字だけ自分で読んで、続きを母ちゃんが読むということで折り合いがついた。 「はちみつ」を「8三つ」と思っているらしかったので、Honeyのボトルを見せて「これがはちみつ。きんいろの、甘いはちみつ。」と説明したらようやく腑に落ちたような顔をしていた。
と、こんな調子なので、今回は特に目新しく感じたことがなかったので、「文字によるコミュニケーション」について私が思ったことを書こうと思う。
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HANEN session5 |
今回はVisual Helperについて。
自閉症児の理解を助けたり発語を促すために、絵カードや写真を使うといい。としばしば言われるが、私は正直懐疑的だった。 実際どういう風に使ったらいいというのもよく解らなかったし、自分で試しに絵を描いたり写真を見せたりしてもあまりうまく機能しなかったし、診断がついていざ、と思ったときには、あきのすけはある程度は話し言葉でコミュニケーションを取れるレベルになってしまっていたからだ。 だがこちらの学校で少し使い方を習ったおかげで、うまく機能する例もあると解ってから、picture exchangeにこだわらず、あきのすけのいまの発達段階に応じたツールを用意すればいいのだ。と思うようになった。
ではVisual Helperとはどのようなものか。
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